【第3部】決意(平成12年年末〜平成13年3月)
この年のお正月、私は家族と過ごさなかった記憶がある。
激動の年だったこともあり、一人で考えたいと思ったからだ。
いや、正直に言うと、親戚からも一人にしてしまった母を
正面から見続けることができなかった。
『ほんと、ごめんね、俺、戻って来るの、やめときゃ良かったね・・・ごめんね・・・』
そんなことを思いながら、ホテルでぼんやりしながら、父の最期を思い出していた。
仕事や会社について一言も私と話す事がなかった父は、
どんな思いでこの世から去っていったのだろう・・・。
まして、最後の数ヶ月は寝たきりで、何かを伝えたかったはず、
その思いを感じて自らの考えで戻ってきました。
でも・・こんな状況の、どうにもならない外部環境をとてもうらやみました。
しかしながら、どんどん失っていくものが増えていく日常の中で、
私は、本当に大事なものは何かをひたすら考えるようになっていきました。
生きる目的、使命は何か?
そうです、
本来就職活動で考える一番大切なものを、
逆境の環境下で、やっと考える機会がやって来きたのです・・・
当時は精一杯で過ごしていましたが、そこで私は、一つだけ大事にしてきたものを思い出しました。
それは大阪の学生時代の友人達です。
つまり人でした。
- 彼らと定期的に会ったり話をしたりするのはとても楽しい時間であり、失いたくないものでした。
ある時、会社の状況などを正直に話しをしました。
うち一人が
「志賀ちゃんがやりたいと思うことをやったらいいやん。
正直に生きて行ってそれでダメならまたやりなおせば!!
がんばらずがんばって!!たとえ志賀ちゃんがひとりになっても応援するよ。」と
言ってくれました。
がんばらずがんばって・・
とても暖かい言葉だな~言葉の力が身に染みて、私の心を動かす事はこれが初めてでしたが、
「とにかく正直に生きて行こう」と決心し大阪から戻ってきました。