リフォーム工事や塗装工事でトラブルになりやすいこととは?
BETTYさん:今回は、リフォーム工事や塗装工事に関するお客さまからのクレームについてのお話ですね。
工事へのクレームがデータ化されているそうですが、お家のクレームはどんなものが多いのでしょうか?
マーくん:クレームの約半分が、屋根に関すること、外壁に関することですね。
BETTYさん:お家のクレームの約半分は、屋根と壁で占められているということですね。
マーくん:そうですね、データ的にはありますが、そのような結果が出ております。その中でもトップは「屋根」ですね。
BETTYさん:屋根のどんなところなんですか?
マーくん:屋根の剥がれや雨漏れです。
下から見える部分ではありませんので、工事をしたら大変なことになっていたという話が多いようです。
BETTYさん:それは、日ごろ志賀さんがおっしゃっている、「住宅診断をしてもらうことが大事」につながってきますよね。
マーくん:そうですね。特に「塗装工事をやったら雨が漏ってきた」という事例は、結構あることなんです。
その原因としては、塗装工事の際に塗料が固まってしまった、水の流れが変わってしまったことがあります。
状況として一番分かりやすいのは、「塗装したばかりなのに、遠くから見ると色が飛んでいる」ということですね。
BETTYさん:遠くから家を見たときに分かるというのは、近くではあんまり気付かないということですか?
マーくん:そうですね。家を遠くから見てみると、去年塗ったばかりなのに屋根が色飛びしているとか。
また外壁ですと、出窓やサッシ回りから水が浸入してきたり、あるいはシーリングが剥がれているのが分からなかったり。
工事をしてもらったから安心だと思っていても、意外と最後の確認がちゃんとされていない場合がありまして。
しばらくしてから不具合が判明して、その結果、屋根・壁のクレームにつながるということですね。
意外かもしれませんが、床の補修のクレームの方がデータ的には少ないんです。
BETTYさん:そういうものなんですね。床など室内のリフォームの方が、クレームが多いのかと勝手に思っていました。
マーくん:そういう意味においては、国交省基準により、戸建て住宅の「劣化基準」が明確に示されているので、
その基準に合わせた工事の提案をしている業者さんに「住宅診断」をしてもらうのが一番いいと思います。
BETTYさん:「これからお家のこういうところを直したい」とリフォームをお考えの方は、
工事の前に家の診断をしてもらうことは大事ですよね。
マーくん:そうですね。特に2018年4月から、中古住宅の物件に関して、この住宅診断が法律で義務化されます。
ですから、不動産会社へ行って「中古の家を買いたい」といった場合、業者さんの紹介か、もしくは住宅診断
(インスペクション)がされていることが条件となります。
BETTYさん:「リフォーム工事をする前に、住宅診断をする」ということですね。
マーくん:皆さん、見積書を気にされますが、まずは住宅診断の「診断書」が先です。
BETTYさん:診断してもらってから、お見積もりになるんですね。
マーくん:はい。住宅診断の結果を踏まえて検討し、工事をやる・やらない、この部分までやる・やらないなど、
いろいろな判断がありますので、それを選ぶ方法として、まずは「診断」がスタートだと思っています。
BETTYさん:よく分かりました。屋根や外壁の塗装工事をしてもらう際に大切なのは「住宅診断」をしてもらうこと。
そのあと塗装工事となった場合にも、トラブルに発展しないために気を付けておきたい大切なことがあるそうですね。
マーくん:はい、そうです。もちろん、工事中や工事後にトラブルがあってはいけませんが、
知っておくと業者さんとの打ち合わせの際に役に立つと思います。
どの会社さんでも工事の際に「保証書」を発行しています。
契約までの打ち合わせで、塗料の色を決めたり、日程を決めたり、予算を決めたりするのですが、
お客さまはそこでいっぱいいっぱいになってしまいがちです。
本来は、工事を契約したときに保証について確認するべきなのですが、
あとになってから「よく聞いてなかった」「何だったっけ?」となってしまうことが多いんです。
BETTYさん:でも、実際に「これから塗装しますよ」というときに、
いろんなことで頭がいっぱいになっちゃうというのは、分からなくもないですよね。
マーくん:そうですよね。塗装工事は、そう頻繁に行うものではありませんので。
私どもはもう毎日やっていますけれど、お客さまにとって塗装工事は一大イベントになりますので。
BETTYさん:本当ですね。だから、「どこまで保証してもらえるのかな?」と聞くのも忘れてしまうというかね。
でも本当は、聞いておいた方がいいということですよね?
マーくん:そうですね。あってはならないことですが何か不具合あったときに、保証内容が頭に入っていれば、
「こういうところは大丈夫なの?」と聞けるのですが、混乱した状況ではなかなかうまくいかないときもありますので。
BETTYさん:難しいですよね。例えば、「何年保証なんですか?」と聞けばいいんですか?
マーくん:もちろん、塗装は「何年保証」ということではあるのですが、
例えば、屋根や外壁にだんだんツヤがなくなって、細かいひび割れが入ってきて、剥がれてきて、水が入ってくるという、
塗装の劣化にはいろいろな順番があるのですが、会社によっては「雨が漏らないと保証しない」というところもあります。
ですから、「ツヤがなくなったり、色が落ちたりというのは保証対象外」の場合とか。
あるいは、「色が落ちてきて、細かいひび割れが起きた段階で塗り直しをします」と明記している会社もあります。
BETTYさん:「何年保証」ということだけではなく、「どこからが保証の範囲なのか」ということを確認するということですね。
マーくん:今は国の方でも「雨漏れは何年」と基準は決めていますが、色が落ちたところまで保証の範囲に入っているのか、
あるいは、本当に雨が漏ってこないと保証されないのかというのでは、全然話が違ってきてしまいますので。
サービスとして、「色が落ちたら塗ります」というところもあれば、そこは保証に入らないところもあります。
屋根や外壁などの外装って外から見て一番分かりやすいので、お客さまご自身も異変に気付きやすいと思います。
塗ってすぐに色が飛んでしまったり、ひび割れがあったりしたときに、無償か有償なのかでずいぶん違うと思います。
BETTYさん:その保証というのは、保証書には大概記載されていることなんですか?
マーくん:そうです。もちろん契約のときには「工事約款」があります。
大枠の工事の方向性とトラブルがあった場合についての協議の仕方は、工事約款で説明することになっています。
やはりお話を聞いただけでは忘れてしまいますから、プラスアルファとして、その保証書にもまとめてあります。
工事約款の説明と、工事の保証書の説明に加え、できれば議事録も付けておくと一番分かりやすいと思います。
BETTYさん:では、やはり保証書は、工事をしてもらうときは私たちも必ず読んでみて、
分かりにくい表現や曖昧な部分については、業者さんに確認しておくことも大事ですね。
マーくん:そうですね。「どうしても聞きにくい」とお客さまはよくおっしゃいます。
まだ工事も終わっていないのに、「ちゃんと工事をやらなかったらどうなるの?」というのは聞きにくいですよね。
BETTYさん:言いにくいですね。そう言われればそうですね(笑)。
マーくん:担当者を信じていただいていると思いますが、担当者も全てやっているわけではありませんので、分業が生じます。
もちろんミスがないように、私どもは最善を尽くしておりますが、
もし、何かトラブルがあったときの協議事項として、方向性を決めておくことは大切だと思います。
BETTYさん:聞きにくいことこそ、契約のときに聞いておくことが大事なんですね。
トラブルが起こってからでは焦ってしまうと思いますから、前もって聞けることはちゃんと聞いておいた方がいいですね。