「塗れる壁」と「塗れない壁」の違いとは?
BETTYさん:「塗れない壁がある」とよくお話しいただきますが、どのような壁なのか詳しく教えてください。
マーくん:はい、分かりました。「塗れない壁」という部分に関して、正確に回答してみたいと思います。
塗装といいますと、どのような壁でも一応塗ることができるんです。
BETTYさん:何でも塗れるということですね。例えば、ガラスでも塗れますもんね(笑)。
マーくん:塗れますね。塗装工事というのは、どんな部分にも可能なんです。
ただ、塗れるのですが、それは一時的なものであり、大切なのは塗ったときの壁の中に含まれている「水分量」です。
BETTYさん:水分量。
マーくん:はい。「含水率計」という、どのくらいの水分が含まれているかを測定する機械があるんです。
それを壁の表面に押し当てることによって含水率が出るのですが、測定の結果、「これは相当水を含んでいるな」という壁は、残念ながら塗装は難しいです。
まあ、できることはできるのですが・・・。よく「保証」というものがありますよね。
BETTYさん:何年保証というやつですよね。
マーくん:そうです。塗料や工法によって5年、10年という保証を付けるのですが、水分を多く含んでいる壁は、保証付きの工事は施工ができないんですね。
BETTYさん:なるほどね。塗ることは問題なく塗れますし、見た目も塗った直後は問題ないということでしょうけれども、
水分をとても多く含んでいる壁に塗ることは、なかなか保証付きでは施工できないと。
マーくん:そういうことですね。2000年(平成12年)以降に新築された家は、そのときに建築基準法が変わって厳しくはなっているんですが、
それ以前に建てた家は、詳しく説明するのは難しいのですが、壁の中が通気工法になっているか、なっていないかという違いがあるのです。
その工法になっているか、なっていないかによっても、塗装を行ったあとに不具合が起きるか起きないかということがあります。
BETTYさん:例えば、その塗れない壁に塗ったとしますよね。不具合が起きるというのは、水分量が多いと膨らんできちゃうという意味ですか?
マーくん:そうです。塗って1年以内くらいで大体のものが膨らんだり、塗膜が割れるという不具合が出てくると思います。
BETTYさん:せっかく塗ったのに、不具合が出てしまったらがっかりしますよね。
マーくん:はい。ですから、そういう部分をきちんと診断させていただいた上で、
これは塗装でいくのがいいのか、診断によってはサイディングを張り替えるご提案をしていくなど、いろいろなパターンがあるわけなんです。
BETTYさん:塗り替えか、張り替えか。まあ、そうですよね。
だから診断書をちゃんとくれる会社さんに見積もりをお願いしたり、診断してもらう方がいいという時代なんですよね。
マーくん:どうしても含水率が非常に高い場合や、外壁材の表面の傷みが激しい場合は、一度部分的にサイディングを剥がして、
内部の下地、木や鉄骨などいろいろございますが、その下地の状態がどうなっているのか、それも確認した上で工事を行いたいんです。
下地の状態がよくない状態で塗っても、今度は下地の方からダメになってきますので、そのへんの確認も非常に大切になってくるんですね。
BETTYさん:その基準が法律によって定められてはいたのでしょうが、それがまた変わっていますからね。
だから、それ以前のものと今のものではだいぶん違いが出てくるのもしょうがないんでしょうけれどもね・・・。
マーくん:はい。ですから、きちんと診断をして、今のお住まいの状況を把握して、どんな手当をしたらいいのかが分かればいいのではないかと思います。
BETTYさん:そうですね。自分の家が塗れない壁なのかどうなのかというのもきちんと診断していただいて、対処法を相談するといいですよね。
いざ塗るときになって、「この壁は塗れません、ごめんなさい」というわけにはいかないですもんね(笑)。
それから先の問題がありますので、ぜひ、診断していただければと思います。