塗装をするときはお家の建築時期を確認しましょう!
BETTYさん: 窯業系サイディングの塗装診断について、さらにお知らせしたいことがあると伺いましたので、そちらをお願いいたします。
マーくん:窯業系サイディングは木と同じように、呼吸したり、水が膨れたり、板そのものが数ミリ反るという話をしてきましたが、
屋根材についても同じようなことが言える材料があることをお知らせしたいと思います。
BETTYさん:窯業系サイディングというのは、外壁に張る板のようなものと考えていただけたらいいですよね。
今、新築住宅ですと多くの方が採用されているようですが。その同じことが言える材料が、屋根の材料にもあるということですね。
マーくん:そういうことです。外壁だけでなく屋根も、塗装をして保護しないといけないのですが、塗っても剥がれてしまう屋根材があります。
具体的なメーカー名で言いますとニチハさんの屋根材で、今は製造中止になっている「パミール」という商品です。
それが屋根材の塗膜剥離が多くて、再塗装がお勧めできないんですね。
BETTYさん:今は製造中止になっているんですね。でも、今建っているお家に使っていらっしゃる場合もありますよね。
マーくん:そうなんです。1995年から2006年くらいまでの約10年なのですが、新築住宅に使われていた屋根材なんです。
剥離が非常に進みますので、再塗装は厳重に注意しなければなりません。
BETTYさん:再塗装はお勧めできない。そうすると、葺き替えになるんですね。
マーくん:屋根材の話が出たものですから、塗装とは若干違うんですが、屋根用の化粧スレート材の「アスベスト」はご存じですか?
BETTYさん:知っています。
マーくん:昔、アスベストが入っている建材が使われていた時期があったんですね。
屋根の強度を増すために使われていましたが、メーカーによっては2001年、2003年までに全メーカーがアスベストは中止にしています。
今は含有している建材はないのですが、アスベストを抜いた1年~2年のあいだに作られた屋根材が強度不足を起こしているんです。
ですから、塗り替えるために屋根に上がると、その重みで割れてしまうという強度不足の屋根材がその1~2年に出回り、
「屋根に上がったら割れてしまった」というクレームになる可能性もあるんです。そのへんも十分に注意していただきたいと思っています。
BETTYさん:自分のお家がいつくらいに建てられたのかが分かれば、業者さんに言えば分かっていただけるということですね。
マーくん:そうですね。あとは、屋根材ではなく窯業系サイディングの方なのですが、2008年3月に窯業系サイディングのJIS規定が改正されました。
それまではサイディングの厚みが「12ミリ」だったのですが、改正後は「14ミリ以上」と、厚みが増加されたんですね。
「板の反りが3ミリ以下」という形で安全性が設定されたものですから、外壁を診断する際は2008年3月を境に注意しなければいけない部分ではあります。
BETTYさん:規定が改正されたということは、12ミリでは足りなかったということなんでしょうね。
でも、2008年3月まではそういうサイディングが普通に使われていたわけですね。
マーくん:そうです。それは普通に使っていいわけでしたから。
BETTYさん:なので、その建材が駄目だったというわけではないのですが、それらの時期に建てられた住宅については、
塗り替え可能なのか、それとも塗れない屋根や外壁なのか、葺き替えや張り替えがいいのかなど、診断の材料になってくるということですね。
マーくん:そういう形になりますね。
BETTYさん:建てた年数によってもいろいろと変わってくるんですね。その年代の流行りの材料もあったでしょうからね。