「色あせが早い屋根の色は?」色あせしやすい3系統と種類別の耐久性
「最近屋根が色あせしてきたみたい…」と気になりながらも、なかなか対処できないまま時間が過ぎてしまうことも多い屋根。
夏の間中、強烈な日差しを浴びていた屋根は劣化が進んでいる可能性があります。
高い場所にあるため普段は劣化状況に気付きにくいですが、隣家と比較してみてはじめて色あせに気付くこともあるでしょう。
新築や塗装してから10年が経過していたら、外壁と同じで劣化している可能性が大きいと考えられます。
そこで今回は、屋根の色あせの原因や予防法、塗り替えをする際の塗料の種類と費用相場などについてご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
目次
1.屋根が色あせる原因とは
屋根が色あせてしまうのは、晒されている自然環境や素材の特徴など、さまざまな要因が考えられます。
太陽光(紫外線)の影響
太陽光は、劣化を進行させる大きな要因のひとつです。
常に紫外線を浴びていることで屋根表面の劣化が進み、色あせも発生します。
雨や風による劣化
雨や風に晒されることは、色あせを起こす要因になります。
屋根は外壁よりも直接的に雨に当たりやすく、屋根表面を傷めることにつながります。
酸性雨や塩害の影響
酸性雨や塩害により、屋根の劣化を早める可能性があります。
塩害は、海の近くに建つなど立地条件により、劣化は顕著に現れやすくなります。
汚れの蓄積(コケやカビなどによるくすみ)
屋根に汚れが付着してくると、その部分からコケやカビが発生しやすくなり屋根の色あせや変色につながることがあります。
屋根の材質による耐用年数の違い
屋根の素材により、それぞれ耐用年数があります。
そのため、耐用年数が短い素材の場合は劣化が進行しやすく、色あせも発生しやすいといえます。
劣化が少ないうちに塗り替えなどメンテンスすることで、長く耐久性を維持することにつながります。
なお、素材ごとの塗り替えの目安は、スレート瓦・セメント瓦・金属屋根で約5~10年、日本瓦は基本的に塗り替えの必要はありません。
高圧洗浄には注意が必要
強力な高圧洗浄機を使った洗浄は、外壁塗装や屋根塗装の際に必ず行う工程ですが、一般的に塗り替えの前にしか行いません。
そのときはきれいになっても、水圧によって塗装のコーティングや外壁そのものを傷める恐れがあるためです。
お客様ご自身で行う屋根や外壁の汚れやコケの除去に、家庭用高圧洗浄機を使用することはおすすめしません。
2.色あせしやすい屋根の色は?
同じ屋根でも色によって色あせしやすいものがあります。
ここでは、色あせが進みやすい屋根色についてご紹介します。
赤色系(特に鮮やかな色)
赤色は紫外線を吸収しやすく、色あせしやすい特徴があります。
特に鮮やかな赤ほど影響が大きい傾向があります。
黒色
黒色は熱を吸収しやすい色として認知されていますが、屋根の色としても同じです。
太陽光の熱を吸収しやすいため、紫外線の影響が大きい傾向があります。
青色系
青色系も色あせしやすい特徴があります。赤色系と同じで、紫外線を吸収しやすくなります。
また、鮮やかな色ほど色あせ(退色)しやすいといわれています。
逆に色あせしにくい屋根の色は?
赤や黒、青系の屋根色が色あせしやすいことは上述の通りです。
では、色あせしにくい色とはどのような色なのでしょうか。
一般的に、色あせしにくい屋根色として「ブラウン」や「グレー」系があります。
屋根色は外観デザインにも大きく影響するため、ブラウンやグレー系といっても、どのような外壁にもマッチしやすい黒っぽさのあるダーク系が好まれることが多いでしょう。
色が濃くなるほど色あせがしやすい傾向があるのは確かですが、少しの劣化や汚れが目立ちにくいというメリットもあります。
3.塗料ごとの耐久性の違いと費用相場
耐久性の高い塗料と色の好みを組み合わせることで、屋根色の選択肢の自由度を広げることも可能です。
色あせだけではなく、耐久性にも着目して塗料を選ぶことも大切です。
ここからは、屋根の塗装をする際の塗料の種類と耐久性などの特徴、それぞれの費用相場などについてご紹介します。
アクリル塗料
アクリル塗料は価格が安く、カラーバリエーションが豊富な塗料です。
コストを抑えることが期待されますが、耐用年数が約3~8年程度とメンテナンスサイクルが短くなりがちな点がポイントです。
塗り替え頻度が多いと、足場代なども都度掛かる可能性があるため、総合的には割高になることも考えられます。
費用相場 | 1,000円~1,900円/㎡ |
ウレタン塗料
ウレタン塗料は密着性が高く、塗膜が丈夫でヒビ割れにも強い点が特徴です。
耐用年数は約6~10年ほどで、メンテナンスサイクルは少し短めといえます。
密着性の高さは複雑な形状の部分の塗装に適していますので、使う場所を限定するのもよいでしょう。
費用相場 | 1,800円~2,100円/㎡ |
シリコン塗料
シリコン塗料は透湿性に優れていることから、カビや藻の発生を抑える効果が期待できる塗料です。
耐用年数は約8~15年とコストバランスのよい点がポイントです。
透湿性のある塗料は内部結露を防ぐ効果があり、建物構造体への劣化の影響が少ないといえます。
費用相場 | 2,000円~3,100円/㎡ |
フッ素塗料
フッ素塗料は、紫外線などの影響にも長く耐えられる耐候性と耐熱性に優れた塗料です。
親水性があり、雨水とともに汚れを落とす効果もあるためカビや藻の発生も抑える効果が期待できます。
耐用年数は約15~20年と長く、メンテナンスサイクルも長い点がポイントです。
費用相場 | 3,000円~4,900円/㎡ |
遮断熱塗料
遮熱・遮断熱塗料は太陽光を反射することにより、屋根表面の温度を上げにくくする効果がある塗料です。
また、断熱塗料では、熱が室内に伝わるのを抑える効果があるため、冷暖房費を削減するメリットがあります。
屋根は断熱改修がしにくい箇所ですので、塗料で省エネ効果が期待できる点がポイントです。
耐用年数は断熱塗料で約15~20年、遮熱塗料で約10~15年となり、メンテナンスサイクルが長くなっています。
費用相場 | |
断熱 | 3,500円~4,600円/㎡ |
遮熱 | 2,500円~3,600円/㎡ |
省エネ効果も期待できる遮断熱塗料
近年は猛暑が長く続くなど、各地で記録的な暑さが社会問題にもなっています。
物価上層で電気代も高くなっており、冷房費の負担も大きくなっているでしょう。
このような状況の中、コストを抑えて省エネ効果が得られるものとして注目されているのが「遮断熱塗料」です。
屋根はもちろん外壁にも活用できる塗料で、日射の反射効果や断熱効果により室内への温度の影響が抑えられ、節電効果につながります。
結露防止効果もあるため、建物の構造体の劣化も防ぐことが期待され、塗り替えの際の選択肢として検討される方が増えています。
4.まとめ
今回は屋根の色あせの原因や予防策、塗り替えをする際の塗料の種類や費用相場についてご紹介しました。
外壁と違い、屋根の劣化は気付きにくい場所です。
10年程度を目安に劣化の具合をチェックして早めにメンテナンスを行うことが、美しい屋根を長く保つことにつながります。
塗料には、省エネ効果が期待できる遮断熱塗料などさまざまな種類がありますので、劣化が気になり始めたら、ぜひ一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか。