環境にやさしい「自然塗料」の種類と選び方 | 外壁塗装のことなら福島県いわき市の志賀塗装株式会社

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環境にやさしい「自然塗料」の種類と選び方

自然塗料は天然素材を原料とする、地球環境にも人にもやさしい塗料ですが、その種類は多く、馴染みのない素材も含まれます。
健康意識の高まりとともに、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどの化学物質による影響やアレルギーの心配が少ないなどの、安全な塗料を検討されている方も少なくありません。

今回は、今どのような種類の自然塗料があるのか、メリットデメリットもあわせてご紹介します。

目次

1.自然塗料とは|自然塗料の種類と原料

自然塗料とは、原料が天然素材を主成分としている塗料を指しており、一般に石油や合成された顔料などが含まれていないものを指します。
天然素材が主成分ですから、環境にやさしく安全性が高いことが特徴といえます。

自然塗料として製品化されて国内で流通している塗料は、こちらでご紹介する素材を組み合わせたもので、外壁などに塗れるよう加工されたものとなります。
サイディングやモルタルなど、外壁材によっては塗装に向かないものも一部ありますので、実際の施工の際は専門業者と相談して選ぶようにしましょう。

自然塗料の原料には、植物や鉱物などが使われるなど、素材にも数多くの種類があります。
ここではまず、自然塗料の成分としてよく使われているそれぞれの素材の特徴をくわしくご紹介します。

漆は樹液を原料とする自然塗料であり、古くは縄文時代から日本で使われてきたといわれています。
樹液はたくさん採れるというものではなく、塗りの工程にも手間がかかることから、漆塗料は比較的高価なものとされています。

腐食防止や防水効果があり、漆が固まると強い膜が作り出されて、酸やアルカリにも強いという特徴があります。

柿渋

柿渋は、まだ青く熟さない渋柿から圧搾した汁を発酵させたものであり、日本では昔から身近な自然塗料として使われてきました。
渋柿に含まれるタンニン成分には消臭や殺菌効果、防虫や防腐効果もあり、化学物質が苦手な方にも安心して使える塗料です。

カシュー

カシューは、カシューナッツの殻から搾り出した油を原料としています。
漆科であるカシューの木は漆と似た性質がありますが、漆のようにかぶれることはありません。
強い塗膜でありながらも弾力性があるのがカシューの大きな特徴ですが、紫外線に対しての強度が低いため屋内使用に適しています。

弁柄

弁柄の発祥は、インドのベンガル地方といわれ「ベンガラ」と呼ばれるようになりました。
鉱物を原料とし赤色の顔料が特徴で、防腐効果があり、昔から木造建築物に使われてきました。
歴史建造物では奈良の薬師寺などが代表的で、美しい朱色の発色が特徴といえます。

ロジン(松やに)

ロジンは、松の木から採れるもので、ネバネバと粘着力がありスポーツ界では滑り止めなどで使われることがあります。
野球で投手が触れる白い粉末がロジンです。抗炎症や抗菌作用があるのが特徴です。

ダンマル

ダンマルとは、東南アジア地域に生息するフタバキ科の樹木から採れる樹脂が原料です。
ダンマルをテレピン油に溶かしたものをワニスと呼び、昔から使われている塗料です。
自然塗料ですが、アレルギーを起こす原料も含まれます。

コーパル

コーパルは、天然樹脂の一種で樹木から分泌されたものが長い時間をかけて土の中で埋もれ化石になったものです。
アルコールなどの混合溶剤で溶かしたものをワニスと呼びます。

桐油

桐油は、シナ桐の種子から抽出された乾性油で、耐水性に優れています。
塗料として生成するには、溶剤に溶かし、乾燥促進の添加剤などを加えます。
木材の色の変化が少ないことが特徴です。

荏油

荏油は、えごまから抽出された乾性油で、速乾性に優れているためオイルフィニッシュとして使われています。
茶系の木材に塗ると濃く深みのある色合いになるのが特徴で、粘度を上げる際にはシンナーなどに希釈して使うことができます。

カルナバ

カルナバとは、天然ロウのことでブラジル地域に生息するウチワヤシの葉から抽出されます。
紫外線に強く、素材の表面白化の抑制効果があるのが特徴です。

木ロウ

木ロウは、ハゼの木の実から抽出されたものを原料とします。
熱で溶かし木材などに刷り込むと、自然の艶が生まれます。耐水性が低いのが特徴です。

蜜ロウ

蜜ロウとは、蜜蜂の巣から採れる油を原料とした塗料です。保湿性がありしっとりした質感が特徴です。
濃度が高く、木材に塗ると濡れたような仕上がりになります。

漆喰

鉱物から採れる石灰石を原料とし、糊やスサなどの天然素材を混ぜたものが漆喰です。
古くから使われており、お城の白い壁は漆喰が用いられています。
調湿や消臭効果があり、耐久性が高いことが特徴です。

珪藻土

海底の植物性プランクトンの殻が化石化したものを原料としているのが珪藻土です。
多孔質という特性から吸湿性が高いのが特徴です。
耐火性もあり、昔から建築物に用いられています。

2.自然塗料を利用するメリット&デメリット

自然塗料は天然素材を原料としていることが特徴ですが、どのようなメリットデメリットがあるのでしょうか。

環境にやさしい

天然素材であることから、地球環境にやさしい塗料です。
化学製品を製造する工程においての二酸化炭素の排出を減らすことができます。

健康への影響を最小限に

自然界から採れる素材であるため、ほとんどの素材は人にもやさしい原料で作られています。
化学物質から発生するアレルギーの心配がなく、健やかな環境が得られます。

※天然由来の成分に対するアレルギーは発生する場合があります。

木材との相性がいい

自然塗料を木材に使用した場合、無垢の木材の呼吸を妨げることなく、自然な経年変化を楽しめます。
木材表面を塗膜で覆う塗料の場合、無垢材の呼吸を遮断してしまうため、本来の質感を活かすことができなくなります。
自然塗料によって呼吸を維持することで、調湿作用などが期待できます。

ただし、サイディングやモルタルなど、外壁素材によっては自然塗料が向いていないケースもあります。

化学塗料に比べて価格が割高

化学塗料と比較すると、自然塗料は価格が割高になることが多いのがデメリットです。
自然塗料の原料を集めるには手間がかかることや、塗装仕上げの工程では特性に合わせた対応や技術が求められるため、工期が長くかかり、施工費なども高くなる傾向があります。

メンテナンス費用が高め

自然塗料の中には耐候性が低い種類のものもあり、メンテナンスのサイクルが短い傾向があります。
化学塗料と比較するとメンテナンス頻度が高く、長期的なメンテナンス費用がかかる可能性があることは自然塗料のデメリットといえます。

日本には明確な基準がない

環境先進国で知られるドイツでは、石油系を含まないものが自然塗料であるという定義があります。
しかし、日本には明確な基準が設けられていません。
そのため、石油系の溶剤が含まれている塗料も「自然塗料」として扱われているという実情があります。

自然塗料だから必ず安全というわけではない

自然塗料として食品衛生法に適合していたり、建築基準法における「F☆☆☆☆」を取得していたりすることはもちろんですが、それだけでシックハウス症候群やアレルギーの要因にならないとはいえません。
原料や溶剤、製造工程においてアレルギー物質を含む塗料もあるため、敏感な方の場合は事前に素材に触れるなど、安全性を確認してから使用することをおすすめします。

3.自然塗料の特徴と選び方

実際に自然塗料として販売されているものは、前述した原料を配合したものを指します。
ここでは、商品として販売されている自然塗料の一般的な特徴をご紹介します。

オイル系自然塗料(耐候性あり)

亜麻仁油を主成分とするオイル系自然塗料ですが、耐候性を高めて屋外でも利用できるように製品化されたものがあります。
一般的には自然塗料は耐候性が低く屋内で使われることが多いですが、屋外でも利用可能なタイプです。

オイル系自然塗料(屋内)

植物油を原料とする塗料で、無垢材の呼吸を妨げないやさしい素材のオイル系自然塗料です。
木に浸透させて保護するタイプです。木目が引き立つのが特徴です。

柿渋系塗料

柿渋は殺菌効果に優れていますが、その分独特の臭いがあります。
臭いが苦手な方も多いことから、無臭タイプの柿渋塗料があります。
耐久性が高いのが特徴でもあります。

蜜蠟ワックス

木材の艶出しなどの効果があります。
亜麻仁油をブレンドして扱いやすくしている製品もあります。
床材だけではなく家具などにも利用可能です。

4.まとめ

自然塗料の種類や特徴、利用する際のメリットデメリットについてご紹介しました。
自然塗料は種類が多く、それぞれに適した使い方がありますので、メリットデメリットを理解した上で適切なものを選ぶことが大切です。

たとえ自然由来のものであっても、アレルギー物質が含まれていたり、体質によっては一般的な素材でもアレルギーが起こったりする可能性もあります。
自然塗料を使う際には専門家に相談しながら、最適なものを選ぶと安心です。

2024年06月4日 更新