外壁のコケが気になる!|コケをキレイにするお手入れや正しい掃除方法
雨上がりなどに外壁のコケが目立つようになったと感じることはありませんか?
少し生え始めると、広がっていく可能性がある外壁のコケ汚れ。
キレイにお手入れしたいと考えている方もいるでしょう。
そこで今回は、コケが発生する要因やお手入れ方法と注意点、除去費用や予防法などについてご紹介します。
目次
1.どうして外壁にコケが生えるの?
なぜ外壁にコケが生えるのか、その理由を解説していきます。
そもそも住宅に生えるコケとは?
新築、リフォーム時にはなかったコケですが、5年、10年経過すると明らかにコケが増えていきます。
コケは外部から飛散してきたコケ胞子が、外壁や屋根、ベランダなどに付着し、雨などの湿気を養分として増えていきます。
コケ以外にも、カビや藻、地衣類(ちいるい)といわれる菌も生えることがあります。
菌類も、雨水に含まれる窒素やリンなどを養分にして繁殖するといわれています。
住宅では日当たりが悪く、ジメジメした外壁面などで多く見かけます。
見た目だけじゃない! コケが生えるデメリット
コケが生えていると見た目がよくないのはもちろん、外壁などの劣化を促進してしまう点に注意が必要です。
コケそのものが水分を含みやすいものであるため、外壁が長時間濡れた状態になってしまいます。
結果的に外壁塗面の劣化を早め、外壁塗料の剥がれ、ひび割れ、膨れ、外壁材の反りなどにつながります。
特に、外壁材として多くの住宅に採用されているサイディングは、水分や湿気が長時間浸透することによって反りが発生すると、サイディングとサイディングの間に隙間ができてしまったり、住宅構造からの剥離につながったりなど、重大な問題を引き起こす可能性があります。
コケなどが好む環境が続くとどんどん繁殖していきますので、放置することで範囲が広がることが予想されます。
「たかがコケ」と安易に放置することは避けましょう。
コケが生えやすい家の特徴
コケが生えやすい家の特徴として、外壁の素材が挙げられます。
モルタルの上にリシンやスタッコを吹き付けている壁や、窯業系などのサイディングはコケが生えやすくなります。
リシンやスタッコで仕上げた壁は表面に凹凸があるため水が付着しやすく、コケが好む環境になりやすい傾向があります。
サイディングもデザイン的な模様で凹凸がありますので、くぼんだ部分などはやはり水が溜まりやすくなります。
素材とは別に、立地環境も大きな要因のひとつです。
川のそばや森林に囲われた場所など湿気が多いところに建っていたり、日当たりや風通しの悪い場所に建っていたりすると、雨上がりに外壁が乾くのが遅くなり、コケが好む環境になりやすいでしょう。
2.コケをキレイにするお手入れ方法と注意点
次にコケをキレイにするお手入れ方法をご紹介します。
軽度であれば自分でお手入れ可能
外壁とはいえ、手が届くような低い位置に生えているコケの場合は、自分でお手入れが可能な場合があります。
ただし、自分で作業可能なのはコケが比較的に新しい場合です。
外壁塗面に劣化がなく、水をかけて弾くようであれば、チャレンジしてみましょう。
お手入れ方法としては、市販のコケ取り専用スプレーや重曹とスポンジやブラシを準備します。
コケ部分に薬剤をたっぷりと散布してからやわらかいスポンジで落とし、その後、水でキレイに流して完了です。
重曹を使うときは小さじ2杯を200ミリリットル程度の水で希釈してから散布しましょう。擦り過ぎると外壁まで傷めてしまうため、力加減に注意しましょう。
一度キレイにコケを落としたとしても、そのままではまた発生してしまいます。
自分でできる予防法としては、コケが見えていなくても月に一度程度、45~50℃くらいのお湯で濡らしたやわらかいタオルやスポンジで優しく拭き取ります。
このとき、熱湯は塗膜を傷めるため使用しないようにしましょう。
また、3~20倍程度に希釈したお酢をコケが生えやすい場所に刷毛ややわらかいタオル等で散布することでも予防効果があります。
ただし、塗膜の種類によってはお酢が向かないものもあるため、施工店に確認するか、目立たない場所で確認してから行うようにしましょう。
外壁に湿気が起きるのを防ぐために、外壁の近くに物を置かないようにすることも大切です。
それほど高さのないものでも、雨がぶつかり外壁側に跳ねることで外壁が常に濡れた環境に置かれてしまいます。
風通しも悪くなりますので、設置状況の見直しも行いましょう。
植栽が建物に大きくもたれかかっている場合も湿気やすくなりますので、伐採するなどの方法で環境を改善しましょう。
業者に頼んだ場合のお手入れ方法
高所にあるコケや、自分では落としにくい染みついたコケなどは業者への依頼がおすすめです。
業者が行う洗浄方法は、高圧洗浄機と洗剤を使いながら落としていきます。
また、バイオ洗浄では落としにくいコケを洗浄します。
コケは落としきれないとまた繁殖していくため、業者に依頼することでしっかりと洗浄することができます。
洗浄だけでは対処できない場合や、前回の塗装から10年以上経っている場合は、外壁塗装で根本的にキレイにするという方法がおすすめです。
コケの再発防止には、セルフクリーニング効果のある塗料が有効です。
雨が降るたびに汚れを洗い流してくれるため、コケの予防効果が期待できます。
外壁塗装をする際には、コケ防止効果のある塗料を検討してもよいでしょう。
3.業者に頼んだ場合にかかる費用相場
最後に、業者に依頼した際の除去や予防費用についてご紹介します。
除去にかかる費用相場
業者に依頼することで高所での洗浄も可能です。
建物の大きさや洗浄範囲により、足場代の費用が異なります。
バイオ洗浄の方が一般的な高圧洗浄よりも割高になりますが、再発を防止する効果が期待できます。
除去方法 | 対処内容 | 費用相場 |
高圧洗浄 | 足場、養生シートを設置して高圧洗浄 | 1平米あたり200~300円 ※別途足場代8~25万円 |
バイオ洗浄 | 足場、養生シートを設置しバイオ液での高圧洗浄 | 1平米あたり500~900円 ※別途足場代8~25万円 |
予防にかかる費用相場
コケが生えやすい箇所は、洗浄を繰り返してもまた生えてくる確率は高いです。
そのたびに足場代がかかるとメンテナンスコスト費用がかさみやすいため、コケが生えにくい塗料で外壁塗装するのもおすすめです。
セルフクリーニング塗料であれば、雨に濡れるたびに汚れを洗い流してくれます。
また、防藻・防カビ効果の塗料であれば、コケを生えにくくする効果が期待できます。
予防方法 | 対処内容 | 費用相場 |
光触媒塗料 | セルフクリーニング機能の塗料で塗装 | 1平米あたり3,500~5,500円 ※別途足場代8~25万円 |
防カビ塗料 | 防藻・防カビ効果の塗料で塗装 | 1平米あたり3,000~5,000円 ※別途足場代8~25万円 |
4.まとめ
今回は、外壁にコケが生える要因やコケが生えることのデメリット、お手入れ方法や予防法の費用相場などについてご紹介しました。
コケなどの菌は一度付着したら繰り返し生えやすいものなので、こまめに予防をする、または、セルフクリーニング機能のある塗料などで根本からの対処法も検討してみましょう。
なぜコケが生えやすくなっているのか、置かれている環境を把握し、環境改善も図りながら対処・防止策に取り掛かってみてはいかがでしょうか。